2025年5月12日

160  能登あすなろ通信  サクラ散る

 


サクラが咲いて、散ってしまった。先日まで鮮やかな橙色の花々をつけていたモモの花が萎み始めてきた。日ごとに、木々の仲間内では、主役の座を譲っていくようだ。今は、紫のモクレンが満開だ。主役が次から次へと交代して、楽しませてくれる。

下方に目を移せば、雑草が急激に育っていく。雑草と言っても、みんな夫々立派な名前を持っている。カラスノエンドウは、草刈りの時、機械にまとわり付いて、厄介なのだけど、花が魅惑的だ。好きな人は、態々育てていることだろう。砂漠の民達は、雑草の全てが、貴重で、美しく、可憐なものとして見えている。その地で草刈りする者は、狂人だ。

都会にいくと、ニラが一束何円かで、生鮮食品場で売っている。ニラは、どんな雑草にも負けず劣らず、根っこは深く、強いから簡単には枯れない。何の世話も要らない、植えておくだけで、次第に勢力拡大して勝手に増えていく。しかしスーパーで売られているニラ、他の野菜は勿論のこと、化学肥料や農薬を施したものとして売られている。農薬の悪臭は尋常ではない。ぼくらは、見てくれ、カロリー、栄養素の数字を信頼している。ミミズがいて、様々な生き物が生きている土は豊かで、触れていても気持ちが良い。化学肥料、農薬を施せば、みんな死んでいく。

海や大地から、全ての生きもの達が育っていく。その海や大地に汚染物、農薬が埋まっていく。空気中にプラスチックが漂う。私たちが、自らの豊かさの為に、地球を我が物にしていく。               2025年4月30日                                 

     

                

  

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