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2013年3月20日

25 春 眼は語る


今年の冬は大変厳しかったから、春の陽気が増して温かくなり、ほっとしています。桜の花がもう咲き始めていますから、これから暫くは爽やかさをいっぱい満喫できますね。
私の恩師は、青年の頃に、ある事件を切っ掛けに眼が美しい大人になっていこうと誓いを立てられました。その所為か、年老いた今でも魅力的な澄んだ瞳をしておられます。眼は心の窓とか、眼は口ほどに物を言うといいますが、どんな姿、恰好よりも眼にその人の本質が宿っていることなのだと思います。気持の張りを失っていくにつれ、眼の力、輝きも消えていきます。私達はどのように生きているのか、絶えず自分の眼に問われているのだと思います。
さて東洋医学では、春は肝臓と胆のうが一番活躍する季節です。肝臓は血を貯蔵して、からだの血量を調整する働きをし、眼と密接な関係があります。眼は絶えず新鮮な血を必要としています。そうでなければ眼は働くことができません。あるいは反対に、眼が美しい風景や感動する物事に出会うと肝臓は活発になり、血が浄化されます。美しい物や感動的な物ごとに会うと肝臓は元気になり、眼がまた輝き出す、身体は世界中のものと一つにつながっています。春は一年中で木々や草花を初め、動物、昆虫達にとっても生命力が一番活発になる季節です。春、植物達の芽を吹き、万物が蠢いていく、こんな当たり前の風景がちょっと考えてみれば奇跡であり、今日の神話です。私達も春の勢いに乗って生きていきましょう。


2012年5月20日

17 夏 心臓と小腸、肩甲骨を意識する

仕事がら、家に籠っていることが多くなりがちです。海が近くにあるのを幸いにして。一日に一度は海岸に出ます。今の時節は、特に海日和です。ちょうど良い加減の太陽の光を浴びながら、砂浜を歩いたり、体操したり、時には砂浜で仰向けになり青空を眺めていると、日頃の煩わしさから開放させられ、元気をもらって帰ってきます。
五月に、もう夏?と書かなければいけないことに、毎回躊躇しています。現代の暦は、明治初めに改正された太陽暦を使っているから五月なのですが、東洋医学は、二十四節気を使って、身体のことを参考にします。ですから今は立夏が過ぎましたから。夏の心臓と小腸になります。
心臓と小腸は陰陽で一対です。心臓と小腸?という取り合わせが不思議ですが、心臓に熱があれば、小腸に症状が生じ、それが血尿となって現れてきます。心臓は舌とも密接に関係しています。心臓に異状があれば、舌がもつれたり、味覚がおかしくなってきます。また肘や小指に、手の平のまん中に違和感が起きることがあります。心臓が心配な人や、夏バテし易い人は、苦いものが薬になります。にがうりやらっきょう、玉葱等がうってつけです。さらに赤い色をした食品(トマト、人参等)を摂っていくのも薬になります。
先日、金哲彦氏のマラソン番組で、左右の肩甲骨がよく動くように歩くことが、とても良いと言われていましたので、早速試してみると、上半身が楽になり、歩くことが軽やかになりました。今まで骨盤ばかりに注目していたのですが、肩甲骨を意識すると、もっと骨盤が動くことを発見しました。骨盤と肩甲骨が連動し、肘、肩、手首、足首、頭部に及び、身体全体がほぐされていきます。



2012年4月10日

16 春 春が来るということ、肝臓・胆のう

桜が満開になりました。桜は花を咲かせる為に冬の間、その準備をしています。桜は、冬眠中、特に開花する前には、樹液が花弁の色に染まっているらしく、その木を切ると、鮮血のように樹液があふれ出してくると言われています。私達の見えないところで、彼らは黙々とその用意をして、時機到来とみるや一気に花を咲かせるのですね。
季節ごとに活躍する内臓が違います。春は、肝臓と胆のうの時節です。肝は、<怒り>の気を生み出していきます。怒りは、強く、激しいものです。強く、激しいものだから、大地からあまたの植物が芽を出し、花を咲かせ、冬眠中の昆虫や動物が起き出してきます。身体も自然の巡りと共に生きており、冬<腎臓、膀胱>の蔵で貯め込んだ<志>を、一気に内外に向かって、発動していきます。病人ならば、回復する兆しが、またどんな人でも、新しく何かを始めるのに、自然の勢いが後押ししてくれますから、絶好の機会でもあります。
江戸時代までは、自然<しぜん>と言う言葉はなかったらしく、<じねん>と呼ばれていたらしい。つまり、自然とは、おのずからそうあること、本来そうであること、ひとりでに、なるという意です。春になれば、自然と誰でもが普段より<肝っ玉>がすわり、<胆力>が備わって行動的になれるのです。焦らず、苦にせず、あるがままに任せていれば、時期が来てひとりでに、春が来るというのは何と嬉しいことでしょう。そう言えば以前に、道を歩いている時、<冬来たりなば、春遠からじ>という碑文を見て、随分助けられたことを思い出します。春は必ずやって来るのだと、一人ひとりに、その相応しい姿で来るのだと諭された気がしたのです。

2012年3月18日

15 春 五気と五臓、腰痛とストレス

いつまでも寒くて、外出するのにマフラーや手袋を手放せません。でもこの寒冷ももう少しです。お彼岸をすぎれば、うららかな日差しを浴びながら散策できますね。
先日、録画しておいたNHK『ためしてガッテン』の腰痛編を見ました。腰痛の八割は、ヘルニアや内蔵等の問題からではなくストレスから来ているということが分かったらしく、五十年に一度位の大発見ということでした。このストレスは、今日では多様に使われていますが、前述の場合は、<精神的緊張、不安、恐怖など>の意味として扱われているのだと思います。
東洋医学では、怒・喜・思・悲・恐という五つの感情によっても、病気になると言われてきました。大昔から当然ストレスがあったのですね。これら五つの感情を五気と言います。五気は、それぞれが五臓である肝臓・心臓・脾臓・肺臓・腎臓によって生じます。つまり肝は怒、心は喜、脾は思、肺は悲、腎は恐を生み出していきますが、余りにも激しい感情の変化は却って、五臓を傷めてしまいます。怒り過ぎると肝を傷つけ、喜び過ぎると心を傷め、思い過ぎると脾を傷め、悲しみ過ぎると肺を傷つけ、恐怖し過ぎると腎を傷めます。また逆に肝が衰弱すると、努がなくなり覇気に欠け、心が弱ってくると喜べなくなり、脾が働かなくなると、思考できなくなります。何事もほどほどに、中庸が大切だということですね。
腰痛がストレスによるものという今日の発見は、東洋医学にとっては当たり前だったのです。腰痛のつぼは、大概、腎・肝・脾が関係していますから、不安や恐れがどれ程負担をかけているかが想像できます。これらの感情は、人間の証として元々備わっているものです。しかし一端本来のあり方から外れてしまうと却って自分自身を傷つけてしまい、取り返しのつかないことになっていきます。

2012年2月14日

14 春 命、身体、宇宙

春分が過ぎて、春!と書きたい気持ちですが、まだまだ冬のまっ最中のようで寒さが厳しいですね。雪国では雪解けが始まり、土が見え始め、草花の芽吹きを見つけて、歓声を上げたくなる春は、また格別なものがあります。しかし、どちらも春は待ち遠しいですね。
現代では、命という言葉は、この小さな身体に限定されている感があります。この生命は私のものだという思い込みです。命を粗末にするな、命を大切にしよう、と巷で飛び交い、標語にも使われていますように。
しかし、前回述べましたように、東洋医学では、命は身体を気として観ていますから、目に見えるだけの肉体を身体の対象としていません。気としての身体は、その時に生々しく感覚され、直感されていくもので、無限に深く、広いものです。それは空気や、刻々と生きていくに相応しい条件と環境がなければ、一時でも生存できない身体でもあるということです。
人間が人間として生まれるには、地球が生じ、単純細胞から、何十億年もかけて試行錯誤を繰り返し、今日に到った宇宙の歴史が聳え立っています。現在の私達が、この測り知れない歴史と、偶然の積み重ねで到ったのであり、この身体、命を私のものだという考え方は、利己的で無理があります。また、これからどんなに科学が発達しようと、これらに関わり合うのは、いつもその一端にしか過ぎないことを認める必要があります。
この身体を、東洋医学では、小宇宙と呼んでいます。身体には宇宙の歴史、英知が埋まっているということです。この小宇宙を、一人ひとりが、生きています。私達は、自分の身体にもっと耳を傾け、日々学んでいるのだという態度が、健康には、もっとも必要なことであると思います。

2012年1月17日

13 冬 東洋医学は「気の医学」

これから、一年でもっとも寒い大寒に入ります。寒いですよね。しかし同じ寒さでも、夢中になって仕事したり、考え事をしていると、寒さを忘れたり、その質が違ってきます。気持ちが寒さを変えてしまうのですね。
現代の医学は、身体を、肉から成った肉体として見ています。この身体は、実際に見えるものであり、レントゲンや諸々の機械によって測られるものです。
しかし、奈良時代に、仏教と共に中国から、朝鮮半島を経て、日本に伝わった東洋医学は、別名「気の医学」とも言われ、身体を、肉や固体を見ていたのではなく、気として見ていました。気は分かり難い言葉ですが、気持ちであり、元気、精気、根気、怒気、雰囲気、空気、気候です。これらは、固定的に捉えられないものであり、絶えず流動してうごめいているものです。
今は、宇宙衛星から地球を眺めて、分析して天気予報しますが、昔は直感的な人や、漁師や百姓が、風や、空や、その場の空気を読んで、天気を予報していました。彼らは、ある時には、未来を正確に予感していったのです。このように医学に携わっていた人達も、身体の気を診て、治療し、患者の将来を予感していたのです。
現代は、日々に科学が発達して、今まで分からなかった未知の分野が発見され続け、私達も数限りない恩恵を被ってきました。しかし、一人ひとりのいのちは、どんなに科学が発達し、科学技術が革新され続けても、一断片しか分かりません。このいのちは、人間の、科学の、対象にはなり得る筈がないからです。

2011年12月15日

12 冬 腎臓、志を持つこと、ストレッチ

故郷の金沢では、初雪が降り、白く薄化粧したようです。こちらでも、これから冬本番です。
いよいよ寒くなってきました。部屋を暖かくし、厚着して寒さに備えますが、肝心の身体にも気を配りましょう。
腎臓は、ボイラーの役目をしています。冬は、特に腎臓が、身体を温め、寒さから守り、骨、骨髄、脳、歯、耳等を養っています。腎の気が不足すると、骨から腰がだるくなったり、思考力が鈍り、耳鳴り、老人性難聴が始まり、視力が衰えてきます。老いていくことは自然ですし、腎臓も弱っていくのは当然です。しかしそれに対して、各自が対処し、工夫していくこともできます。
腎臓は保存がきく豆類、昆布、わかめ等や、黒っぽい光沢のある食品を好み、栄養としますから、こまめに摂ります。その他秋に収穫したもので、大地の中で育ったもの、人参、ごぼう、大根、蓮根、じゃが芋等は身体を温めますし、果物、夏野菜、トマト、キュウリ、レタス等は身体を冷やします。
それ以上に、もっとも大切なことは、志を持つことです。腎臓は志を持っている臓器です。子供が、理想を持ち、尊敬する大人になりたいと思い始めると、腎臓が一人前になった証拠です。私達大人も、理想を立てて、それに向って生きていくことで、腎臓を養い、身体を丈夫にします。素敵な老人に会い、あのような老人になりたいと思うことも、腎臓が刺激され、元気になっていく要因になります。私達の気持ちと身体は、一心同体です。

2011年11月10日

11 冬 腰、骨盤、姿勢に気を留める、良い姿勢とは


秋も深まり、立冬も過ぎました。近頃は、少しづつ掛け布団の厚みが増して朝が起き難くなりました。ぬくぬくとした布団の中から起き上がるのに時間がかかります。
浜辺に出ると、運動している人、歩いている人、走っている人を眺めることができます。健康のことを思ってのことなのでしょうが、その割には、意外と姿勢を意識している人が少ないように思います。足先から頭の天辺まで、大地からのエネルギーが上手く伝わっていかないと、左右のぶれ、歪みが多くなり、歩けば歩くほど、走れば走るほど、疲れが溜まっていきます。
歩いても、走っても、爽快さを実感しないと、健康と言えませんし、下手に頑張ったり、無理やり身体に強いることは、長続きしませんし、そういうやり方は、中年以降は卒業すべきです。
身体の基本は、腰であり、骨盤です。この小さな骨盤で五臓六腑の重さを全部引き受けながら、二本の足が出て、大地から身体全体を支えています。よき身体の動き、運動であると、この骨盤が刺激され、整調に巡りだします。あらゆる病の根源は、この骨盤の歪みと言っても過言ではありません。骨盤のあり方は、健康のキーポイントになるのです。
身体は、自然の推移、飲食物、動作、感情等々にも絶えず影響され、変化し続けます。だから元気な時もありますが、不調になるときもあります。しかし日頃から腰を立てて、姿勢に気を留めていくことは、とても大切なことです。自分自身の人生を創っていくためにも。

2011年10月6日

10 秋 季節の変わり目、自分の身体に耳を傾ける、風邪予防に塩番茶

毎年秋が深まってくると、何だか物悲しくなってくると感じる人がいるのではないかと思います。これは、東洋医学では自然な現象です。
夏が過ぎて、近頃は日増しに日照時間が短くなり、寒くなってきました。これからは、木々が落葉し始め、鮮やかな色で賑やかしていた花花も数すくなくなってきます。そんな風情も物悲しく感じさせます。
以前申しましたが、五臓六腑は季節ごとに配置換えします。夏の主役は心臓でした。心臓は笑う感情を持っています。何となく分かりますね。暑い時は、考えることでも、怒ることでもなく、笑っちゃいます。秋の主役は肺・大腸です。肺は悲しみです。秋が深まるにつれ、笑いは潜まってき、少しづつ憂いを帯びてきます。一年の中で一番憂いを帯びた、物悲しくなる季節です。自然が変化し、少しずつ冬支度し始めるように、私達の身体も気持ちもそれに応じて変化していきます。病院に行って、検査を受け、自分の身体の情報を得るのは大切です。が、もっと大切にしなければならないことは、今の自分の身体に耳を傾け、素直になっていく感覚です。この身体には、いのちの膨大な情報が込められています。ここから受けとる情報は生きる上でもっとも主要になるものです。
鼻の中を洗いましょう。コップ一杯のぬるめの番茶に少々の塩を入れておきます。片方の鼻を押さえて、もう一方の鼻から、それを吸い入れ、口から吐き出します。左右数回繰り返します。風邪や鼻炎の予防に効果てきめんです。私はこれを何十年もやっています。鼻中がとても気持ち良いのです。

2011年9月12日

9 秋 肺、大腸、乾布摩擦

暑かった夏も、漸く秋風が吹くようになりました。
待ちに待った秋だ!と大概の人は思っているものでしょうが、私にとってはこれから始まる秋が、一年の内でもっとも危ない季節なのです。
東洋医学・鍼灸医学に携わるようになった理由の一つに、子供の頃からの持病だった喘息があります。小学校は半分程しか通えませんでした。大人になるにつれて、良くなったのですが、完治していません。私は季節の変わり目、特に秋口、そして冬になるまでの期間が鬼門です。アレルギー性鼻炎から喘息を起こすことがあるからです。
一般に私達は、どの季節でも、その変わり目は、用心しなければなりません。自然は日々微妙に変化しています、今日日は急速度な文明の発達で、益々自然な状態が分からなくなっています。私達は自然の変化に鈍くなっているのです。身体は自然と共に微妙に変化しているのですが、意識は肥大し、身体の訴え、サインが見えなくなっているのです。
風邪を引き易い人、喘息等は、肺や大腸が関係しています。秋は肺と大腸の季節です。肺には白い色をもったネギ、玉ねぎ、にんにく、大根、かぶ等が滋養になり、風邪の予防になります。
肺と皮膚は直接に繋がっています。皮膚を刺激していくことで、肺は元気になります。全身に、乾布摩擦を施します。冬の寒い時に、真っ裸になり乾布摩擦をすると、風邪が引き難くなります。これは、今の季節からやり始めます。

2011年6月29日

8 夏 心臓、腎臓、呼吸

毎年、毎年、月日の早くなっていく感があります。が、今年程、それを強く感じる年はありません。大地震があり、停電があり、原発問題はまだ未解決で、時がびっくりして縮まったようです。
本格的な夏を迎えようとしています。夏は、心臓の季節です。私達が眠っている時も、遊んでいる時も、不眠不休でドックン、ドックンと一人働き続けている心臓は、働き続けているが故に熱くなりがちです。心臓はエンジンみたいなものだから、過熱し過ぎないように冷やす必要があります。冷やす役目をするものがラジエータ、即ち腎臓です。心臓は火で、腎臓は水の性質です。どの臓器も大切なのです。みんなで支え合って生きているのです。夏は、身体を冷やしてくれる生野菜・果物に相応しい季節です。海藻類も合わせて摂って下さい。心臓はトマト・人参・赤ピーマン等の赤色を好みます。心臓はばてた時は赤色系等の食物を多く摂るのです。


前回、深く息を吐き出すことを言いました。私達は、当り前に、無意識的に呼吸をしています。その息は大概浅く胸で呼吸しています。それをあえて意識して深く呼吸します。わずか数分間でも息ができなくなると、死に到る呼吸は、あらゆる健康法の中でもっとも大切なものです。10分以上の時間をかけて、姿勢をただし、下腹や骨盤全体で呼吸することを意識しましょう。自ずから呼吸が深くなり、気持ちが落ち着きます。

2011年5月31日

7 夏 水毒、排泄、呼吸

以前、木々が生い茂った池の辺で暮らしたことがあります。そこは湿気が強く、一日中日が射さない場所でした。住み始めて、半年経った頃から、急に手の平や足指から汗が滲むようになり、微熱が出始めました。当時何が起こったのか訳が分からず、原因不明のまま、調子の悪い状態が暫く続きました。鎌倉に引っ越し、数ヶ月経ってから、身体が回復し調子が戻ってきました。そうして漸く何が悪かったのかを理解しました。湿気、水毒に侵されてしまっていたのです。
梅雨が長引き、家の換気が悪いと、家中がベタベタし、カビが生え、害虫が発生しやすくなります。身体も同じく、通気が悪く、水はけが良くないと、水が溜まり、冷え性や諸々の病の原因となっていきます。水毒です。私も水毒に罹ったのでした。
水やお茶等を沢山飲む人、水分を多く含んだ果物を多く摂る人がいます。摂った分だけ、排泄できるとは限りません。排泄するのも、それなりの力を要します。腎臓や膀胱に働いてもらわなければいけません。排泄でき難くなってくると、水が身体に溜まり、病の原因となります。東洋医学では入れることより、出していくことを主とします。汗・小水・便等々を滞り無く排泄させていくことで、体調を整えていくのです。

一時も欠かせぬ呼吸も入れることでなく出すことが肝心です。意識して心がけていないと、呼吸が浅くなっています。一日の内、何回かは、思い切り、息を吐き切ってしまいましょう。

2011年4月23日

6 春 五臓六腑と気持ち、目と肝臓

毎朝目覚めと共に違った私になっています。一つひとつの細胞が刻々と新陳代謝し変わっていますから、少しずつ違った私になっています。布団に入っている間に大きく入れ替わっていることを想像します。私のことは分かっているつもりでいます。しかし、実は分からない、ということが事実かもしれません。
私達の気持ちと、五臓六腑とが結びついていることを、以前に申しました。怒は肝臓、喜は心臓、思(慮)は脾臓、悲は肺臓、恐(畏)は腎臓という具合です。春は肝臓の季節です。ある程度の怒りは行動力の源です。しかし度が過ぎると、肝臓を痛めます。全く怒りがなくなったら肝臓が萎えていると言えます。ある程度の怒・喜・思(慮)・悲・恐(畏)は五臓六腑が元気な証です。しかし何れにしても度を超えると、それに応じた内臓が、そして全体のバランスが歪になっていきます。
私達は生きている限り、様々な喜び、そして様々なストレスに会っていきます。それが私達を鍛え、他人のことを思い、また生活を改めようとするのではないでしょうか。私達の意識の届かないところで様々な気持ち、環境、そして身体はつねに絡みあって生きています。その内の身体だけでも、毎日意識して世話をすることができます。それが気持ちや環境を変える切っ掛けにもなると思っています。

慢性のかすみ目、めまい、両眼の乾燥、夜盲症などの目に生ずる異常は、肝臓と関係します。目を酷使する人は、目だけでなく肝臓も疲れている訳です。

2011年3月24日

5 春 自然治癒力、五臓六腑

大変な思いをしている東北地方の方々の所に、どのようにして、今そこに見合った援助物資、何らかの慰安を届けることができるか、私達の急務です。原発は専門家に任せて見守っていきましょう。私達も各自が今できることを、身近なところから生活を見直し、改善していくことが、被災した方々を間接的に援助していくものと思います。
身体も国土も同じです。何処か一箇所でも故障が生じると、そこへあらゆる援助物資が届きます。身体には、あらゆる医薬品、衣食住に類するもの、専門家が備わっています。それを自然治癒力といいます。永々と続いてきた生命の力です。自然治癒力は、気持ちが大きく関与します。明るく前向きな気持ちです。より真に、より善く、より美しく、一歩でもという気持ちが、自然治癒力を高めます。これからも、日本が大変であればある程、私達一人々々の力強い気持ちが、もっとも大切な力になると思います。

五臓六腑は身体の中心で、根っこです。五臓六腑が健全であれば、部分、枝・葉は、まず安泰です。この五臓六腑の大半はお腹にあります。このお腹を両手でよくもみます。お腹は自分の手の力加減であれば何ほど力をいれても、決して痛めることはありません。お腹全体をつき立ての餅のように、どこにもしこりがなく、ある程度のはりがあって柔らかいお腹にしていきましょう。

2011年2月24日

4 春 肝臓、胆のう、足裏

二十四節気の「雨水」が過ぎて、氷と雪から、雨と水に変わってきました。鎌倉も暖かさが増してきました。日だまりが嬉しい。
腎臓の様子が髪に現われるように、肝臓や胆のうは、爪や目、筋肉に、その状態が現われます。私達の身体のあらゆるものが、五臓六腑と固く結び合い、影響し合っています。目がぼんやりしている。見え難くなっている。筋肉の疲れがとれないのは、肝臓の動きが鈍いのです。爪が荒れてきているのは、胆のうのあり方が疑われます。肝臓や胆のうがよく働いてくれないと、身体が怠くなり、優柔不断になってきます。元気な肝臓と胆のうは、清められた血を全身に送り出します。私達はそれで疲れがとれ、物事の判断ができ、大胆な行動力となって生きることができます。

全身を支えているのは足裏です。大地とくっついている足裏は、地球と一番近いのです。足の指、足の裏、特に土踏まずをごしごしともみます。そして足首を柔らかくします。柔らかくなった足裏に全身をゆだねるようにして立ちます。足裏だけが唯一大地との接点であることを確かめるように、ここで呼吸します。足がポカポカしてきます。

2011年2月12日

3 春 肝臓、胆のう、手足

あらゆる生きもの達は、陰と陽から成り立っています。陰とは、女であり、マイナスであり、暗いです。陽とは、男であり、プラスであり、明るいです。
冬は、一年の中で、陰の中の陰でした。一日に譬えると、真夜中です。立春が過ぎて、日照時間が長くなり、暖かくなり、陽気が増していきます。春です。春になると、今まで大地の中にひっそり暮らしていたもの達が、そろそろと活動し始めます。
人間も自然ですから、身体の中身が変わってきます。腎臓と膀胱から、肝臓と胆のうへと主役の座が変わります。「肝っ玉が太い」、「胆力がある」、「大胆不敵」という言葉がありますが、肝臓と胆のうは、目覚めた後、春からの活動の源泉になります。肝腎要の一端を担っている彼等が全身に気と血を送り出し、私達を動き易いようにしているのです。肝臓や胆のうは青色を好みます。大地から様々な植物が育っていきます。旬のもの、青々としたものを摂ると良いのです。酸味のきいたものも元気にさせます。酢のものを好む人は、肝臓や胆のうが欲する本能の働きです。

手・足の指一本々々に、五臓六腑の大切なつぼがあります。まず手・足の指を、次に甲を、さらに手・足首を、一日の目覚めと共にマッサージします。

2011年1月15日

2 冬 腎臓

冬は殆どの生物が、冬らしい姿に変わります。植物や昆虫は、土の中でひっそりと暮らし、木々は裸木が多くなり、動物は冬眠したり、動きを少なくして春になるのを待っています。特に雪国では、自然の風景が一変します。人間もまた生活がガラリと変わり、屋内でしずしずと働き、日常を過ごします。人間の身体も自然ですから、冬は冬らしい身体になり春に備えます。
腎臓は倉・蔵です。土蔵や倉庫の役目を担っています。冬の間、寒さに抗して、身体を保護する為に、食物を少しずつ、この腎臓という倉庫から持ち出して、身体全体のために使っています。
肝腎要といいます。腎臓が身体の要となっているからです。要は腰です。腰が強靭な人は、腎臓や肝臓がしっかりしと働いていることになります。
腎臓は黒っぽい色を好みます。豆類なら黒豆、小豆です。他に黒胡麻、わかめ、昆布、ひじき等です。ちなみに髪の毛がツヤツヤして、豊かな人は腎臓が元気です。髪は腎臓の子どもだからです。

骨盤の上に、握りこぶしほどの、そら豆に似た腎臓が左右に一個づつあります。手の平をこすって、温め、それを左右の腎臓にあて、上下させます。それから臀部、脚の裏側を通り、アキレス腱までこすり降ろします。それを数回やって身体がポカポカしてきたら腎臓が喜んでいます。

2010年12月15日

1 冬 腎臓、膀胱

冬らしい寒さが続きます。
冬は腎臓・膀胱の季節です。ちなみに春は肝臓・胆のう、夏は心臓・小腸、秋は肺・大腸と、東洋医学は季節によって主役になって働く臓器が異なります。冬は特に腎臓・膀胱を養う為にも豆類や根野菜を多めにとると、身体を温め、寒さに抗していきます。生野菜や果物は、身体を冷やしますから、なるべく少なくします。

身体のどこかに痛みや冷えがたえずある所は、身体の悲鳴であり、反応です。痛み止めの注射や薬に頼らず、自分でできることは自分でやるといえるのは東洋医学の特徴の一つです。自分でできる按摩の一つは、手、足の五指と甲、手の平、足の裏です。それらを毎日もみ、のばし、柔軟にしておくだけで、身体にとっては、とても助かるのです。