近頃「もういくつ寝るとお正月~」というフレーズがしきりに浮かんでくる。子供の頃、元旦や正月は、特別で、前日からわくわくしていたものだった。それがいい加減な年齢になっても消えないでいる。年末が押し迫ってくると、決まって「タコ上げてコマを回して遊びましょう、はやく来い来いお正月~」と口ずさんでいるのに気づく。
しかし、こういった特別な元旦や正月は、近年になればなる程、少しずつ特別色が薄くなってしまった。その家の主婦が何日もの間、時間をかけて手作りしたお節料理は、今日日は、お金さえ出せば、前日に配達してくれる。コンビニやスーパーマーケットへ行けば、元日でさえ様々な食品、品物を手に入れることができる。タコもコマも姿を消し、みんなで共同し、一緒に何かをすることをしなくても、スマートフォン一つあれば、退屈をしのぎ、お金も稼ぐことができる。確かに世の中は便利に、豊かになった。でもその代わりにぼくたちは、何か大切なことを失くしていく。
黒島では、あちこちの家々の解体工事が進行中。朝から重機の重く、地響き立てていくキャタピラが、地震で傾いた家々を解体していく。空き地がさらに広がっていく。能登も黒島もこれからどうなっていくのか、期待と不安が入り混じり揺れていく。…だが、ともあれ今朝も無事に迎えることができた。この一日を疎かにしては、明日でさえ期待が持てなくなってくる。ならば今日一日、思いつく限りのことをして、明日の為に、夜、床に就きたいと思う。先人たちも一日一日生きてきた。ぼくらは、ただそれを受けついでいく。 2025年12月29日




