2026年9月1日

176 能登あすなろ通信  黒島の天領祭り

 

うだるような、暑い日々が続きます。八月へとカレンダーが切り替わって間もなく、殆んど日中の気温のままで夜が明けました。布団に横になっていても、暑くて眠られず、その日は結局気だるい一日になりました。…余りにも寒いと眠られません。余りにも暑くても、同様に眠られないことを改めて思い知らされた日でした。

能登の自然の風が、あちこちから吹いてくる我が家では、クーラーがなくても、これまでも充分間に合っていたのですが。暑い!だけでは言い足りなくなった最近の急激な地球温暖化に、我が家も悲鳴をあげるようになってきました。これから、一体何処まで暑くなっていくのか計り知れない気持ちです。ほんの少しでも温暖化を止めていくことを、ゴミ出しの工夫等を思っています。

先週、黒島の住人と、全国から集まった若い人たちとで、黒島の天領祭りが無事に催されました。祭りは、神様やご先祖に感謝や祈りを捧げる行事です。どんな人間も、何百万年の間の、無限の先祖を内に秘めております。そんな数多の先祖によって、この世に誕生したことを思うと、いかなる人も神様としか言い様のないものに思い至るのではないでしょうか。神輿と共に歩いている時、大概の町の方々が、神輿が自宅の前を通り過ぎる時、拝み合掌する姿を拝見致します。その尊い姿で、祭りや神輿の存在の重さを、一挙に思い知らされます。一人一人の内に神秘的な命が宿っていることは、同時に神様がおられることだと思うのです。      2026年8月29日

 

2026年5月31日

173 能登あすなろ通信 宇宙の公共

 

五月は薫風の時節、一年間でもっとも快適な季節の筈なのだが…。昼も近くになってくると、お日様の下、暑くてクラクラしてくる。辛抱できず、木陰で一休み、二休みしてまた夏野菜の世話をしていく。草刈りしたり、鍬をもって土を耕したりする野良仕事は、大変といえば大変なのだけれど、土や植物、野菜に触れていると心が和む。様々な鳥の声があちこちから聞こえてくる…残念ながら、精々三、四種類の鳴き声しか見分けがつかない。草むらの中に、珍しい素敵な花を見つける。スマホで名前を調べる…直に忘れてしまう。

ともあれ気がつくと、樹木、花、鳥、昆虫、そんな生きもの達が無尽蔵に生きている気配がして怖いようにも感じていく。海に行き、さらにその海の中に潜れば、また空を見上げても、星空を眺めていても、そういった自然のあり様は、とてつもなく、複雑怪奇、神妙不可思議だ。自分から、家の囲いから一歩出て、海や里山の方へと向かっていくと、そんな不思議な自然の真ん中に、ぼくが生きているということが生々しく感じられてくる。

日本国憲法第13条、すべての国民が、個人として尊重され、生命、自由、幸福追求する権利を保証するー公共の福祉に反さない限りーは、日本の公共だけではなく、あらゆる生きもの達の公共にも適応されていく地球の未来がある筈だ。人間は、人間だけでは生きられない。他の生きもの達がいなければ生きられない。地球は地球だけでは生きられない。宇宙は宇宙だけでは生きられない。                  2026年5月29日

                                   

 

2026年5月1日

172 能登あすなろ通信 春たけなわ

 


今、春たけなわ、一年中でもっとも快適で過ごしやすい季節。寒くも暑くもなく、蚊やブヨに煩わされることもなく、セリ、ニラ、フキ、カンゾウ等々を無造作に採って食べられる黄金の季節。草刈りの合間に、ちょっとした台に腰掛けて、一休み二休みする。周りの風景が刻々と変わっていく。山々の色合いが淡い黄緑から、緑へと変化していく。次から次へと色んな花が満開になり、萎んでいく。つい先日まで盛りだった赤、白、橙の椿がみんな散ってしまった。白、で目立っていた雪柳も色あせてしまった。ほとんどが数日間の僅かな花の命だ。この宇宙の、全ての命を貫いているもの達、星々から草花、昆虫、あらゆる生きもの達も、みな同じ道程をたどる。生まれ、育ち、自立し、老いて、死んで、新しい命へと繋いでいく。みんな一つひとつの姿、形、性質は違うけれども、元を辿っていけば、出所は同じと言っても過言ではないだろう。

一人の身体は、約三十兆個の細胞で出来ているらしい。三十兆個と言われても、戸惑うだけだが…。この細胞の一つひとつが、また個別の世界を宿しているというから、さらに何が何だか困惑するばかりだ。ぼくらは大概、自身が生きているということが当たり前のように思ってはいるが、ちょっぴり考えても、実に不可思議なことだと気づかされる。でも、そんな不可思議さも、日常生活の中で、すっかり忘れ暮らしている。苦しみ、悩み、悲しみは誰にでもある。しかしそれらが、この世に生きている不可思議を思い出す妙薬になっていくことは、実に皮肉な話しだ。       2026年4月29日