能登門前に引っ越して一年になりました。とても厳しかった冬から、紅葉真っ盛りの華やかな今の秋に至るまで、初めて経験することが盛りたくさんの、新しい一年の日々でした。
能登と言っても、外海と、七尾湾がある内海、また山間部の寒く雪の多い地域などと、一口に簡単には言えません。と、こちらに住み着いてみると、よくその事を分からせてもらえます。そんな違いを見出し、気づいていくと、すぐ隣の町や村にまで、それぞれ独特の雰囲気があることに段々気がつかされていきます。一つひとつの地域が、その地形や風土に合わせて何百年、何千年、何万年の歴史がかかって育ってきたものですから、違いが生じて当然です。それに良い、悪いと言える理はありません。
世界のどんな国でも、地域でも、それと似たことが言えるのだと思います。ある国はりっぱで善い。ある地域、民族は、劣っていて駄目だと。そんな類のことは言えなくなります。好きや嫌いの感情と、一つひとつ、一人ひとりの大切な独自性は区別して考えなければなりません。
一人ひとりが、特有のこころを持ち、特有の身体をして、この世に生きていることは、本来かけがえのないものです。国と国、人と人、人と自然が、どんな状況や違いでも認め合い、育み合っていこうとする気持ちが、この地球でみんなと一緒になって生きていることへの責任と歓びになるのだと思います。 2016年11月12日
0 件のコメント:
コメントを投稿