2016年10月12日

58 秋 あすなろ通信

まだ鎌倉にいた時、今度君が引っ越しする先の能登の門前は、ツワブキの群生地だよと、友人に言われました。ツワブキ?何だろう?名前が猛々しく感じるが、どんな植物だろうと思っていました。去年の暮れにこちらに越してくると、小さな庭から見える竹やぶの前に、ツワブキと言われていたものが一杯ありました。フキのような、ハスのような大きな葉を持った植物でした。春になり、そのツワブキの葉っぱが勢いついた頃、長崎出身の方から、私達はキャラブキを、このツワブキで作ります。と言われたので、早速キャラブキにして頂きました。恐る恐る食べましたが、それはフキと区別ができにくいものでした。来春は思い切って一杯食べられそうです。今、秋になり、ツワブキの鮮やかな黄色い花が一斉に咲き出しました。竹と、ツワブキの濃緑の葉っぱの間で、点々とした黄色が目を楽しませてくれます。
 玄関の前に立つと、前方に低い山々が見えます。その雑木の多い山々が少しづつ、少しづつと紅葉へと赤みが帯びてきました。
 ある高名な科学者が、あらゆる自然の現象は、様々な美しい色彩やユニークな形の衣装を着せて、もっと自分たちを見てと訴えていると言う。自然は、元々私たち人間が自然であることを思い出すように、美しい色や興味を引く姿、味をして魅了させているのかもしれません。         
2016年10月12日



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