こちらでは、畑を作っている方が多い。土地が沢山あるからということもありますが、大概の野菜は、ずっと昔から自給でという生活習慣なのだと思います。そんな土地柄ですから、近所の方や患者さんに、色々の野菜を頂いています。お陰様で、食卓が新鮮な野菜で満ちています。
そんな事情もあり、私も自前で作らなくてはと思い立ち、朝採れの菜っ葉や、美味しいトマト、きゅうり、ナスを夢想しながら、小さな庭の隅っこに畑を作りました。来年の春は、新しい芽吹きで一杯になっていますようにと。
去年の暮れから、四ヶ月程の間、初めての土地でもあったここで、一人暮らしを致しました。初めは意気揚々と生活していたのですが、次第に毎日の空の暗さに滅入り、寒い部屋や風通しが良過ぎる台所に悲鳴を上げるようになりました。しかし、まだそんなことは耐えることができました。一番困ったのは、孤独でした。朝、夕の挨拶をする人がいない。食事を一緒にできる人がいないことが、耐えられなくなってきました。
人は、他人がいて、初めて人になっていきます。どんな人も、他人が、いなくなってしまうと、人として生きていけなくなっていきます。そんな他人をどれ程、自分の事のように慈しみ、大切に出来ていけるか。それが結局、自分自身の人生を豊かにする近道なのかもしれません。
2016年9月10日
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