2015年4月20日

45  春  生老病死

桜の花が咲き始め、満開となりました。と、新聞やテレビのニュースで連日賑やかしく報道されていました。そのような華やかな大騒ぎも、満開が過ぎ、花弁が散ってしまうと、私達も急に熱が冷めて、普段の生活に戻りました。
私達は、誰でもこの世に生まれたからには、老いて、病んで、何時かこの世を去らなければなりません。端的にこう言った事柄を、「生老病死」と言うのだと思います。生まれた直後から、老いが始まり、常に「生老病死」を孕みながら、一人ひとりが寿命の尽きるまで生きていきます。
桜は、芽がほころび、花が咲き、満開になるまでは、騒がれて持てはやされます。が、咲いたものが全部散ってしまい、ゴミ同然となった花弁を、もはや誰も称賛し、観賞する人はいません。
栄華、満開、青春と衰退、凋落、老いは、万物の陰と陽です。青春は、老いを経験するにつれ、青春の価値や意味を感じとることができます。老いも青春を過ごしたから、老いを感じとっていきます。一方だけの生き物は、この世にはありません。陰と陽、プラスとマイナスあっての、自然や私達です。
 この宇宙のあらゆる生きとし生けるものは、長くも、短くも「生老病死」しながら、絶えず新陳代謝している同胞です。人間、動物、植物、あらゆる物、宇宙の隅々に到るまで、そんな同じ同胞の生命が生きています。
私達が健康的に生きるとは、このような自分自身が、全てと共に今を生き、生かされていることを自覚していく道程だと思います。                         



      2015.4.20 

0 件のコメント: