二十四節気では、今頃では「小満」となるらしい。小満は、様々な生きるもの達がぐんぐんと満ち満ちて、地上が華やかになってくる時期と言って良いのだと思います。一年でもっとも快適に過ごしていくことができる時節でもあります。これは、厳しい冬を通り過ぎたから、この気持ち良さが気持ち良いと分かるのであって、ずっとこの小満のような快適さのままだと、快適を快適とも言えなくなってくるのは当然だともいえます。辛いこと、苦しいことは、誰も好む人はいないのでしょうが、他人や運命の所為にしない限り、小満のように万物のいのちが満ち満ちて来た時に、心から喜ぶことができることも、これまで辛抱してきたご褒美のように思います。
「本来無一物」という禅語がありますが、この言葉が好まれる故は、物やお金、あるいは人間関係や何がしかのトラブルで悩んでいたりした時に、気持ちを楽にさせられることが多いからではないでしょうか。何だ、そんなに深刻な問題でもないのだと。しかし、その気分もつかの間で、直にもとの黙阿弥に戻り、悩みを抱えてしまうのが私達でもあります。「煩悩無尽誓願断」という言葉もありますが、誓願しても、煩悩が無尽してくるというのが私たちの苦しみでもあります。
一病息災という言葉があります。少しぐらいは、自分の弱さや病を持っている方が、養生に気を使い、却って健康を保つことになるということだと思います。過信も、心配も程ほどに、時々は遠くの風景を眺めながら大きく息を吐き、吸って生きていきましょう。
2014.5.24
2014.5.24
0 件のコメント:
コメントを投稿