2014年5月19日

38  春 呼吸は生き方

先日の第二日曜日、円覚寺で日曜参禅会がありました。とても良い話を聞けるから是非行こうと、友人に誘われ、円覚寺の管長横田南嶺老師の話と、坐禅をしてきました。穏やかな行楽日和だったこともあるのですが、多くの方々が、話を聞くために集まって来られたのにはびっくり致しました。事前に聞いていたのはお年寄りが多いということだったのですが、お年寄りだけでなく、沢山の若い男女も大勢集まっていました。実際に聞いた老師のお話しは、年配の方々だけでなく、若い人々にも手応えある、実り多き話であり、今日日の索漠とした、不安な時代に、確かな信仰を求めている人々がいることを垣間見た思いでした。
以前にも書きましたが、身体にとって、不安、心配、怖れ、怒り等々を長く持ち続けることが一番の毒です。そういう気持ちは、一時的には誰でも経験しますし、そういう気持ちを持つことで、却って他人への思いやりや同情心を育むことができます。しかし長い期間に渡って多く持ち過ぎると、五臓六腑を痛めてしまいます。なるべく早く気持ちを切り替え、自分自身の事は忘れ、仕事や趣味、家族や他者への関心、奉仕へと生活していく方が健康になっていきます。
誰でもいっときも欠かせない呼吸は、日頃から努めてなるべく深く長く、ゆっくり行うように努めていきます。呼吸は、いきのし方(生き方)です。呼吸を日々そのように努めていくことで、瑣末な事柄にはそれ程執着がなくなって、大切なことを知っていくようになります。大切なこととは、今、ここの現実を生きるということです。どんな人にも置かれている、今の現実が一番大切なことだと知っていくのです。
2014.4.22
   

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