先日故郷の輪島に行ってきました。輪島の与呂見は、能登半島でも雪の多い所で、ほぼ二メートル近くにまで積もります。先日はそれ程ではありませんでしたが、それでも四、五十センチは積もっていました。日本海側の冬の天気は、大概どんよりした曇り空か、雪ばかりでめったに晴天になることはありません。そういった空模様は、関東に住んでいるとほとんど想像し難いものです。大概そんな風にいうと大変だなと思われると思います。しかしそんな空模様や雪も、住み慣れてみると、それはそれで中々風情があり、人間も辛抱強く、優しくなってくるのではないかと思っています。
獣以外には誰も通らない林の雪道を歩いていますと、周りの風景はモノトーンで被われており、時折木々からの雪の落ちる音や、風と林の奏でるハーモニーとが相まって、新鮮な自分に触れている感じがして元気になってきます。特に都会暮らしをしているものにとっては、誰も居ない林の雪道を歩くこと自身が、大変貴重な経験をしているようで、内に響いてくるものがあり嬉しさ一入です。
私たちの周りでも気をつけていれば、至る所で小さな自然を見出すことができます。そういう自然を見出すと誰もが嬉しくなってきます。それは多分私たちが元々そこから生まれ、そこへと帰っていくそんな郷愁を誘うような、安らかになるような、あるいはびっくりするような玉手箱を自然が持っているからではないかと思います。そのような自然と交流できればできるほど私たちは元気になり、活発になっていきます。何故なら、どんな人も、大地、太陽、空、木々や空気なしには片時も離れて生きていける筈がないからであり、それらは私たちの生命だからです。 2014.1.24
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