2025年6月30日

162 能登あすなろ通信  夏至


 一片のアジサイが咲き出したと思うと、示し合わしたように青く、赤く、空っぽく、辺りのアジサイがいっせいに咲き始めた。その中でホンアジサイを花瓶に入れて、部屋に飾った。そうして、初めて梅雨だと感じている。    

先ほど、土砂災害警戒情報がアナウンスされた。激しい雨が大地を叩きつけている。近くの知り合いの家は、崖の上に建っている。去年九月の豪雨災害で、その玄関前の崖が崩れてしまった。幸いに家にまで被害が及ばなかったから、深刻な難には至らなかったのだが。その崖の下にある農家の直ぐ近くまで、土砂が流れ出した。それが未だ手つかずにある為、大雨警報が発令する度に、気が気でないと言われる。前の崖、裏山の崖、真下の家…、今日はさぞかし、気に病んでいることだろうと思う。そんな危なっかしい場所に住んでいるのだが、彼はいつも平然な振りをして、心強い。会う度に、何だか、何時もこちらが励まされる。

世界中の紛争、戦争が止まない。日本も含めて、戦争抑止力の名の下に、戦争道具を開発し、増産していく。歴史は繰り返す。という言葉が宙に浮いていく。ぼくら人類は、一体何処へ行こうとしているのだろうか。人間だけが、栄え豊かさになっていくことが、本当に可能なのだろうか。大地を削り、海を汚し、森を失くして、人間は人間として生きられるのだろうか。ゴキブリ、ハエ、ネズミ、蚊、蜂を殺して人間だけが安穏に暮らせるのだろうか。人間…、否先ず、このぼくのことなのだが…。       2025年6月29日

 

0 件のコメント: