ふっと耳を傾けると、秋を奏でてくれていた虫たちがいなくなっていた。つい最近まで、うるさい程鳴いていた色んな声がひっそりしてしまっている。そう言えば、最近コオロギ、バッタたちの艶やかな緑色した姿から、茶色の、ヨタヨタした姿格好に変わってしまったのが目につくようになった。彼らは彼らで、自分たちの子孫を残すという役目を終えて、天に召されていくのをじっと待っているのかもしれない。
能登は、先月の豪雨で被災した家屋、道路、山々の崖等々の復旧作業でボランティア、自衛隊、土木業者等々の人たちが、新たに助けに入って来ている。大切な畑を失ってしまった無農薬野菜を販売していた友人も、新たに自宅と農作地を探しながら、後片付けに追われている。被災した、しないに関わらず、前向きになり、今日の自分のできることを模索しながら生きている人たちが少なからずいる。人は、未来に向かって灯火を掲げて生きる人たちに出逢うことにより励まされていく。その内、励まされた本人もまた、新しい灯火を掲げていく。
今世界のあちらこちらで戦争している。戦争準備もしている。様々な自然災害も年々増加している。その結果、不幸、災難を受け持った人々が、大勢生まれ出ている。しかしそのことをバネにして新しく飛躍していこうとする人たちもいる。一歩、いっぽでしか歩けない。何処へ向かっていても、その一歩が自身の道を造っていく。未来に向かって、一歩、ぼくなりの灯火を掲げていく人生を願っていく。 2024年10月29日
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