2023年3月31日

135 能登あすなろ通信  春だ

 


空や、地上のあちこちから、春だ、という声がする。山々が、原っぱが、畑が、急ピッチに、模様替えしていく。木々や草花が芽を出し、色とりどりの花を、実にユニークに咲かせていく。キャベツ、大根、白菜といった野菜たちも背を高くして、黄色い花や実をつけて花畑になっていく。その花を食卓の上に。菜の花の和え物になり、旬の香りを頂く。

まっ青の空の下で、陽だまりを、畑を歩くだけでも楽しい。そこいらに座り込んで、雑草といわれるヒメオドリコソウを眺める。それらは、放っておくと、うんざりする程群生する為、鎌で一掃してしまうのだが…。一つひとつをよく見れば、姿、形が何とも愛らしい。どんな雑草であっても、つまらない、なんていうものは何一つない。よくよく見れば、みんな魅惑的だ。ぼくらが、勝手に都合次第で、雑草といい、要らないものだといい、刈りとり、除草剤をまいているだけだ。

世界中の、あちらこちらの地で、日本では雑草と云われ、邪険にされる生きものたちが、どれ程珍重され、愛玩されているか想像し難くない。それらが鉢や庭に植えられ、その方に大切に育てられていることを想う。

どんな人であれ、どんな状況であっても、想像力だけは、自由自在に、駆け巡らすことができる。この土地、国内だけでしか通用しない想像力や考えだけでいるのはつまらない。何処へ行っても、どんな過去へと遡っても、未来へと向かっても通じていく、そんな想像力、考える力を思う。その中身は、真実、善き、美しいものという言葉が相応しい。      2023年3月26日

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