2022年12月26日

132  能登あすなろ通信  2022年の暮れ

 今、ここ黒島には雪はない。が、毎日の空は、重い灰色で被われ、すっかり冬の顔になってしまった。冬特有の横殴りの風が、家を揺さぶっていく。家がゆっくりと船のようにゆれていく。

今年も、もう少しで幕を閉じようとしている。

この一年間、何があったのだろうか。振り返ってみるが、走馬灯のようになって、幾つかの印象的な映像がまばらに浮かぶだけだ。このようにして考えてみると、これからも大体似たり寄ったりの人生を過ごしていくような気もする。ずっと一日、一日と休みなく歩き、随分と長い間歩き続け、今日に至ったはずなのに、あっけない位、歩いて来た道は遠ざかっていく。

今まで何を大切にして、何に向かって、生きてきたのだろうか。今までの、ぼくの経験や蓄積された何かが、誰かの役に立ったり、若い人たちの励ましとなるような、そんなコトバや態度を秘めているのだろうか。

三十数年前、東京の真ん中の石碑に掘られていた言葉に目を留めた。「冬来たりなば、春遠からじ」、当時どれ程、この言葉に元気づけられたことだろう。日本航空を再建された稲盛和夫さんの「あふれるほどの夢を描け、人生は大飛躍する」は、どんな状況であっても、夢さえあれば、そしてそれを育んでいさえすれば、後はどうとでもなっていく。と鼓舞されている。

来年はどんな人生が展開していくのだろう。確かに言えることは、今日という日によって、明日へとつながっていく。行くべき方向を時々確かめながら、今日という日だけに精力を捧げれば良い。       2022年12月25日


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