2022年10月28日

130 能登あすなろ通信  紅葉

 


すっかり秋めいて、能登のあちこちの山々や森が、ぽつんぽつんと、赤っぽく色づき始めました。これから来月の終わり頃まで、黄や赤くなった葉っぱが、木々や森全体を鮮やかにし、目を楽しませ、驚かせてくれます。葉っぱが枯れ葉となり、地上に落下する前、木々は艶やかに紅葉して、最後は大地に帰っていく。それは、わたし達にみてもらいたいが為?…そんな能登の晩秋を、私たちは、これから迎えていきます。

寒くなって、囲炉裏に火が点りました。今は、その火だけで充分な温さです。その火の傍らにいると、身体だけではなく、心も温めてくれるような気がしています。火は何百万年の間、人類の営みと共にあって、私たちに、何かを語らい、示唆してきました。テレビやラジオでもなく、人からでもない、自然の大本が秘密を語ってきた筈です。その火の傍らにいると、これまでの人類の息吹が、直に感じられて温まるのだと思っています。

人類が人間として、地球に生まれたのは、約八百万年前だと言われています。その人間が生まれる前には、何十億年かけて成長してきた様々な生命の歴史があります。火も、木々、草花、地上のあらゆる生きもの達も、みんな人類の先輩です。人間だけが、言葉を使って話をしている訳ではありません。火は火のコトバを持って、互いに話しをし、木々は木々のコトバを持って会話している筈です。万物は、そうやって共通のコトバを持って生きている筈です。わたし達は、それらに触れていくにつれ、今日生きていることの、不思議さが大きくなっていくのだと思います。2022年10月25日

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