2022年2月24日

122 能登あすなろ通信 ウグイス?

 


二週間程前の早朝、ウグイスかと思われる鳴き声を聞いた。?と思っていると、その翌朝も同じ声が聞こえる。それから、余程寒い朝以外は連日、そのまだ幼い声を聞かせてくれる。少しずつその声、大人になっていくようであり、春は近いよ、温かくなっていくよ。とも言ってもいるようです。

Kさんが何十年もかけて、大切に苗木から育ててきた、果樹園が竹林の奥にある。若い頃のようには働けなくなったKさんは、次第に手が、そこまで行き届かなくなり、今ではそこへと行く道さえ藪で被われ、道が失われてしまった。ぼくの勝手で、その道を探しながら、道をつけ、園までたどり着くと、竹や藪を刈りとりながら樹木を剪定していった。雪が降ったり、積もったりする中、寒くても、その作業が愉快で楽しかった。やってみたいと思った仕事の一つだった、植木屋さんの仕事でもあり、誰もいない、自然のまん中での作業が、人間から解放されていくような気分がした。刈った後の木々を眺めると、ちょうど人の頭髪を散髪した後のようで、身だしなみも上がったと、彼らに喜んでもらっていると、ひとり合点していた。

何で、こんな所で、こんな仕事をして、こんなことをしているのだろう、と、時たま不思議でたまらなくなってくる。七年前には、門前町の黒島という名前さえ知らなかった。数ヶ月前までは、Kさんの、大切に育ててきた木々に触れ、剪定するなどと思ってもいなかった。今、出来上がったこの文章も、ぼくの意図よりも、それ以外の所からも来ているような気がしてきた。                                 

2022年2月25日

 

 

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