2022年1月26日

121 能登あすなろ通信 正月

 


正月が過ぎ去り、立春という暦が、もうそこに迫ってきている気配もありますが。今年も皆さま、よろしくお願い申し上げます。

大寒のまっ最中、一年で一番寒い季節。玄関から外へと一歩出てみると、この季節特有の海鳴りと強風が吹き荒れています。すぐ近くへと出向くにしても、厚着し、防寒していかなければ、風の強さに圧倒され、凍えてしまいます。冬は、一軒一軒の家の戸が重くなり、隣り近所の方々との距離が遠くなっていく時節でもあります。

今住んでいる家は、百年程前に、当主でもあった大工さん自らの手で建てた、色々の技を凝らした温みのある家です。昔ながらの建てつけですから、玄関から土間へ上がってある、囲炉裏の部屋は、障子によって守られています。障子は大部分が紙ですから、心もとなく思っていましたが、紙一枚で外界との薄い壁をつくり、部屋を囲い、温めます。もしこの紙が、板戸に変わるならば、重く暗くなり、狭苦しくなっていくのでしょう。障子ならではの軽さ、白さが、陽の光を映しながら、太陽と、自然と共にあることを身近に感じさせてくれます。

大寒最中なのに、雨が降り、雪が溶けてきます。雪は冷たくて、怖いこともありますが、雪が溶けてくると寂しい気がします。子供や犬は、雪や雪が降るのが大好きです。雪は、何の汚れも、誇ることもない、清らかな世界を感じさせてくれるのでしょう。生まれる前、この世を去った後の、純白としか言い様のようのない、元々の世界を想像させるのでしょう。  2022年1月25日

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