2021年12月29日

119  能登あすなろ通信  師走 

 


年末が押し迫ってくるにつれ、じりじりと、正月もまた近づいてくるようだ。他の月には全く感じることがない、正月への特別な思い入れは、いくつになっても消えることがない。「もういくつ寝るとお正月、お正月にはタコあげて、コマを回して遊びましょう…」の歌が、どこからともなく聞こえてくる。気持ちが弾み、ソワソワしてくる。子供の魂が消えずに残っている。

今日日は、原っぱや空き地がなくなり、タコあげ、コマ回しが消えた。マスクして、子供が群れをなして外を駆け巡るなんて風景も想像でき難い。パソコンやスマートフォン一つ手にしていれば、遊び相手がいなくても、色々なグッズがなくても一人で遊べる。小さな画面を点せば、タコあげどころか、どんな遊びも自由自在だ。仲間との確執や喧嘩もない。

それが快適、幸せ、充実……、なのだろうか。しかしその時は快適であっても、過ぎれば退屈し、苦痛になってくる。その時々の気分、気持ちは、一人であっても安定することがない。何をしていても、どんなに幸せだと思っていても、様々な感情、お腹すき加減、お天気模様、人とのちょっとしたトラブルで、一挙に先程までの快適さから不快へと変わっていく。

子供でも大人でも、一体どこへと歩いていこうとしているのか。何を目標として生きているのか。が明らかになるにつれ、そこへと一歩あるきさえすれば良い、安らかな道がある。生涯を通して、永遠への志しを育てていく道のり以上に仕合せな道はないと思う。             2021年12月24日

                               

 

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