2021年1月25日

109 能登あすなろ通信  あけましておめでとうございます

 


あけましておめでとうございます。本年も宜しくお願い申し上げます。

五年前の秋に、親切な方々の導きによって、黒島に案内され、この現在の家を紹介されました。玄関の敷居をまたぎ、土間におり、障子を開けると、半畳程の囲炉裏が目に入りました。都会にいる頃から、ずっと囲炉裏のある待合室を想像していましたから、そのイメージにぴったりとしました。

二十歳代後半の頃、心身共に病み、疲労し切っていた頃、薪の囲炉裏で暖をとっていた農家で数日間お世話になりました。その薪が燃えている様を終日眺めている内に、その疲れ切っていた心身が慰められ、癒されていくのを感じました。その時、古の先祖たちは、何百万年の間この火を中心にして部落の、家の円居や団らんがあったことに気づかされました。今日では、この火はすっかり巷から消えてしまい、たき火はむろんのこと、石油や電気の人工的な灯りや暖炉だけの生活となってしまいました。

火は、長い間私たち人間の太陽や神々、神秘としての生命の化身だったのですが、それが自らの手で造られるようになるにつれて、それの代わりにお金や物が、そういった神秘性と取って代わるようになったのです。それがはっきりとしたのは、ごく最近のことかもしれません。私たちは、一体何を拠り所としてこれから生きていこうとするのか、それは行き先がはっきりとするに従って、一人ひとりが問われていくことなのかもしれません。

                                   2021年1月25日

 

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