2020年11月24日

107 能登あすなろ通信 落ち葉集め

 


十一月も半ばなのに、夏模様でちょうど良い陽気な天気が、二、三日続いた。その間に間に、木枯らしが吹いて、枯れ葉が空を舞い、落ち葉が地上に溜まっていく。その大量の落ち葉を、かき集め、かき集めして畑の隅に積んでいく。今年もまた、集まった軽トラック一杯分の葉っぱと、糠を混ぜあわせ、水で薄めた納豆菌を入れながら、踏み固めて、三年間寝かせて堆肥をつくる。葉っぱと糠と納豆菌、その取り合わせが愉快で、長靴をはいた足と、大きいなフォークで料理でも作っていく気分になる。それが食べられるまでに三年間待たなければいけないのだが…。畑の野菜が、その葉っぱ、糠、納豆ででき上がった肥料を食べて、大きくなっていく。その野菜が、ぼくの身体を作っていくのだから…、なんて夢想していくのが、面白い。

何十年もの間、何秒、何分、何時間と小刻みに生活していた都会から、能登に住み始めて、数ヶ月経った頃、時間がゆっくりと進んでいることに驚いた。あれから五年経って、さらにもっとゆっくりと進んでいる日々を意識する。テレビがない、ラジオは電波の関係で夕方以降は聞こえない。自然と床に就くのが早くなり、朝の目覚めも早くなっていく。

毎日、様々な社会の状況、情報が溢れる。が、何よりも大切なのは、こころの内に潜んでいる、その微かな、真の声。その声が、状況や情報を、易しく、力強さとなって創り変えていくように思う。        2020年11月24日 

              

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