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黒島では、ごく普通に群生しているツワブキに、花が咲き出し、ここ二、三日でほぼ満開となっている。フキのような大きな葉と葉の間から、鮮やかな黄色い花が、にょきと飛び出して、そのみどり、みどりした色と黄色のコントラストが、目を喜ばす。今朝まで雨が降っていたこともあって、今日はまた、格別に、濡れた葉も花もピカピカ光っている。こんなちょっとした光景に、どれ程私たちは、慰められ、癒されてきたことか。こういった自然に秘められたものは、限りなく深いに違いない。私たちのこころのあり方次第が、さらに彼らのことばを聴きとっていくことができるのだろう。
十一月も半ば頃になってくると、急に寒くなり、突然冬になっていくことが多い。こちらの冬は、太平洋側と打って変って、晴れた日が極端に少なく、くもり、時雨、霰、雪と続いていく。そんな冬に入る前の、ぽかぽか陽気の日を選んでの野良仕事が楽しい。植物が育っていくのを見守っていくのは面白い。小さな、ゴミよりも小さな種が、ぼくの背丈を超えていったり、鈴なりのおいしい実や花を付けていったりするのは、どれ程経験しても、飽きることがない出来事だ。空気と水と大地と光と、そして少しの栄養素とが、小さな種の内の見えなかった、その元と合わさり、からみ合って、一人前になっていくのだ。何十億年前に、私たちの遠い、遠い、先祖が生まれた時、この地球という惑星に、やはり、ゴミよりも、もっともっと小さな種を誰かが、そっと蒔いたのだ。蒔いたのは…。 2020年10月26日
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