2020年3月1日

98  能登あすなろ通信 ポカポカ陽気

お日様が出てポカポカしていると、家の中にいるよりも、外に出た方が温かいことが多い。畑にいると、何もせず、ぼんやりしていても、汗ばんできて、上着を一枚、一枚と脱いでいく。畑の奥には竹林、雑木林が広がっている。イノシシが食べ物をあさった跡がいたる所にある。ミミズ?山芋?そんなことを想いながらどんどん奥へと歩く。つい先ほどまで、家の中で思っていたこととは、全く異なった風景が、生きもの達が、ひしめき、ぼくに迫ってくるような感じがする。怖いようでいて、神秘的で、ドキドキしている。
頭の中では分かっていることと、身体全体が自然と感じとっている感覚とは、全く違う世界であることが多い。そんなことが、家の中にいると、すっかり忘れている。スイッチを入れると、蛍光灯が点る、そんな慣れ親しんだものとは違った、予測がつき難い、生々しい自然のあり様にドギマギする。暗くなってくる、ライトがないと簡単に進めなくなり、不安がます。オートメーションし、人工化されていく都会生活の知恵では全く太刀打ちできない、驚異的な、魅了される自然が、目の前にある。
この身体には、どんなに優れた頭脳や、科学力でも追いつけない、届かない天然自然がある。ぼくの血液の一滴が、その中身が、どれ程の歴史や工程を辿って、今、ぼくの、この身体の中を巡っているのか。一滴が、どれ程の重さで、働いているのか、その逐一に、ぼくが、人間が答えられる訳がないではないか。                        2020年2月24日


  

0 件のコメント: