鶯がさえずり始めてから十日以上になる。初めは何の鳥だろうかと思った位、声にならない声でした。次第に、日ごとに鶯らしくなっていきました。今でははっきりと、春だよと歌っています。まるでこっちへ来いと促しているようです。
今年の冬は、雪も殆んど積もらず、比較的穏やかな冬が続いています。ですが、冬は、冬ですから、寒さも長引いてくると、段々に春の温みが待ち遠しくなってきます。お日様の姿が見える時には、家の中にいるよりも、畑にいる方が、ずっと春かと思わせてくれます。畑にいると、今年はどんな花や野菜が生まれてくるのだろうかと想いを巡らします。
見ず知らずの人と人が出逢っていくのは、人の内に魂のような磁石があって引きつけ合っているような気がします。この魂の磁石は絶えず変化していきますが、その人なりの固有のものとして変わらぬものもあるようです。そんな風に考えていくと、土地にも、家にも、様々な生き物、自然の現象にも磁石が備わっているのではないかと思ってしまいます。磁石と磁石が、無限に引き合い、反発しながら生きているのではないかと。それは、生きている万有引力とも言えるかもしれません。
一つ一つの細胞内の原子構造から、宇宙の星々にまで、この世のあらゆる生きとし生けるものは、万有引力で互いに引かれ合っています。何一つ欠けても存在し得ない私たちのことを思います。2019年2月24日
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