つい先日まで、朝畑へ向かう道中から、はや汗がにじみ出て、とても暑苦しく辛かったのだが…。今は、畑へ向かうことが楽だ。風は爽やかで、太陽の光りも穏やかで、ぬくい。急激に秋の風情が濃くなってきている。
柿の木に実が、赤っぽく色づき始めてきた。去年のこの辺りの柿は全くの不作だった。今年はたわわに実をつけ、鈴なりに実っている。カラスたちも少しづつ、ついばみ始めてきた。真夏のまっ最中、全く刈りとる気にもなれなかった雑草らも、すっかり背を高くして、枝も逞しくなった。その間を縫って、数年前に幾種類もの種を蒔いたコスモスが花を咲かし始めている。そのコスモスは刈らないようにして、慎重に、大地を散髪していく気分で、草刈り機を動かしていく。段々に人間の頭の様にすっきりしていく。
この身は、人間である前に、動物や植物として生きている。心臓が鼓動しているのも、寒く、暑くなるのも、眠くなり、食欲湧いて、唾液が出るのも、みな動物としてだ。木に触れて心地良さを感じたり、可憐な花々に見惚れたり、単なる葉っぱの色形に感動するのは、同じ素材で、同じ空気で生きている仲間だからだ。
人間であることは止めることはできない。でも実際には、動物、虫や植物としても生きている。空や星々、海や大地、風、そんな途方もない存在にも、思いは、自由に想像して、仲間入りしていく。ともあれ、この大宇宙という無限の中で、どんな形や姿であれ、今、時を同じくしておる事は、実に驚くべきことだ。 2025年9月29日

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