2013年3月20日

25 春 眼は語る


今年の冬は大変厳しかったから、春の陽気が増して温かくなり、ほっとしています。桜の花がもう咲き始めていますから、これから暫くは爽やかさをいっぱい満喫できますね。
私の恩師は、青年の頃に、ある事件を切っ掛けに眼が美しい大人になっていこうと誓いを立てられました。その所為か、年老いた今でも魅力的な澄んだ瞳をしておられます。眼は心の窓とか、眼は口ほどに物を言うといいますが、どんな姿、恰好よりも眼にその人の本質が宿っていることなのだと思います。気持の張りを失っていくにつれ、眼の力、輝きも消えていきます。私達はどのように生きているのか、絶えず自分の眼に問われているのだと思います。
さて東洋医学では、春は肝臓と胆のうが一番活躍する季節です。肝臓は血を貯蔵して、からだの血量を調整する働きをし、眼と密接な関係があります。眼は絶えず新鮮な血を必要としています。そうでなければ眼は働くことができません。あるいは反対に、眼が美しい風景や感動する物事に出会うと肝臓は活発になり、血が浄化されます。美しい物や感動的な物ごとに会うと肝臓は元気になり、眼がまた輝き出す、身体は世界中のものと一つにつながっています。春は一年中で木々や草花を初め、動物、昆虫達にとっても生命力が一番活発になる季節です。春、植物達の芽を吹き、万物が蠢いていく、こんな当たり前の風景がちょっと考えてみれば奇跡であり、今日の神話です。私達も春の勢いに乗って生きていきましょう。