2012年12月3日

23 冬 精が出ます


「すっかり寒くなりましたね」と、近頃の挨拶になってきました。ついこの間まで「暑いですね」が、挨拶言葉だったのですがー。
私達は、私だと思う脳が絶対であり、身体は脳の従臣のように思っています。しかし、脳は身体の一部分であり、身体があってこその脳です。身体があって脳が働くことができるのであり、脳によって身体が生きている訳ではありません。元より身体は自然そのものであり、独り善がりになりがちな脳とは関係なく、これから益々寒くなっていく大寒に向かって準備しています。
冬は、腎臓と膀胱が一番活躍していく時節です。腎臓には<精>が蓄えられています。「精がでますね」と言う言葉は、腎臓が元気ですねと同じことを言っていることになります。この腎臓の精が、骨髄、骨、歯、脳<髄の海>を造っています。また脳・髄から聴力、視力、思考力が維持されています。腎臓は内臓の活力の源であるばかりでなく、身体の根幹である骨や骨髄、脳、思考活動を営むための肝腎な要です。
身体の健康を保持したい、骨や歯を守りたい、頭を明晰に保ちたい等と思う人は、内臓が元気に働いてもらわなければいけませんが、特に腎臓は縁の下の力持ちとして一番大切な要なのです。冬は「閉蔵」と言います。戸を閉めて、英気、根気を養っていきます。そして春の目覚めへと準備して、数ヵ月後に一気に開花していくのです。
冬は、互いに生きている者同士として、その生き方を尊重し、同時に誰とも比較できない自分自身を見つめなおす時節です。



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