2012年6月18日

18 夏 身体が、いつもと違う!と声をあげるとき


午後七時半になっても、まだほんのりと薄明るい時節になりました。夜が来た。という気がしません。まだ夕方のような気がして、改めて時計をみて、確かめないと、感覚が不安げです。もうすぐ夏至です。一年のちょうど半分。何だか、やけに感慨深い。
子供の頃から、小児喘息で、よく学校を休み、さらに二十代後半に大病して、半年間の入院生活を余儀なくさせられました。その時にどうして私が病気になったのか。その理由を知りたくて、身体の事に急に興味を持ち始めました。身体の事といっても、解剖や病理学的な事ではなく、私たちが極当り前にしている、歩くこと、日常的動作、姿勢、呼吸、食べる、飲む、そして何かを想うといったことについてです。学び始めると、単純に分ったと言えなくなり、生きることへの無限の深さに気づかされてきました。
突然の外傷や事故以外で、痛い、おかしい、気だるい、苦しいという気持ちが起きる時は、身体が、いつもと違う!という声をあげています。胃が痛む時は、胃に気持ちが向くという具合です。具合が悪いということです。具合が悪くなって、私達は養生します。ですから何だかおかしい、気だるい、苦しいような気持ちは、とても大切です。そのちょっとした感覚に素直になることで、生活を改め、見直すことができるからです。
何だかおかしいと思って、病院に行ったら、異常なしと言われたということがあります。しかし、どんなに高額な機械を使っても生身の人間を正確に調べるには限界があります。一番大切なのは、私達一人ひとりの感覚や直感です。日頃から、そういう素朴な感覚を大切にしてこそ、専門の方々のアドバイスも活きてくるのだと思います。