2012年1月17日

13 冬 東洋医学は「気の医学」

これから、一年でもっとも寒い大寒に入ります。寒いですよね。しかし同じ寒さでも、夢中になって仕事したり、考え事をしていると、寒さを忘れたり、その質が違ってきます。気持ちが寒さを変えてしまうのですね。
現代の医学は、身体を、肉から成った肉体として見ています。この身体は、実際に見えるものであり、レントゲンや諸々の機械によって測られるものです。
しかし、奈良時代に、仏教と共に中国から、朝鮮半島を経て、日本に伝わった東洋医学は、別名「気の医学」とも言われ、身体を、肉や固体を見ていたのではなく、気として見ていました。気は分かり難い言葉ですが、気持ちであり、元気、精気、根気、怒気、雰囲気、空気、気候です。これらは、固定的に捉えられないものであり、絶えず流動してうごめいているものです。
今は、宇宙衛星から地球を眺めて、分析して天気予報しますが、昔は直感的な人や、漁師や百姓が、風や、空や、その場の空気を読んで、天気を予報していました。彼らは、ある時には、未来を正確に予感していったのです。このように医学に携わっていた人達も、身体の気を診て、治療し、患者の将来を予感していたのです。
現代は、日々に科学が発達して、今まで分からなかった未知の分野が発見され続け、私達も数限りない恩恵を被ってきました。しかし、一人ひとりのいのちは、どんなに科学が発達し、科学技術が革新され続けても、一断片しか分かりません。このいのちは、人間の、科学の、対象にはなり得る筈がないからです。

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