2023年11月1日

142 能登あすなろ通信 ツワブキ

 


この辺りで群生しているツワブキが、黄色い花を咲かし始めた。この花が目立ち始めると、秋も深くなり、草花が枯れ始めてくる。

つい最近まで、日中の暑い最中に、家から外へと出ることは、無謀なこととも思われた猛暑も、今はすっかり遠くに去ってしまった感がある。近頃は肌寒いから、なるべく太陽の近くにと、にじり寄って行きたい気持ちがつのる。野良仕事をしていても、日陰ではなく、日向へと場所を移動していく。真夏時と、反対の行動をとっている自身におかしくなってくる。なんで同じ太陽なのに、こんなにも違っているのだろう。遠くにあり過ぎても、近くあり過ぎても、却って仇となってしまう。何事もちょうど良い加減が必要なのだ。

楽していることが楽とは限らない。苦しいのが、苦しいだけとは限らない。楽することも、苦しむこともどちらも必要なのだ。両方、相反するものがあって、自然であり、生きていることだ。楽していることに苦が見え、苦しんでいる最中に、楽さを見出していったこれまでの人生ではなかったか。                        

出現、繁栄、没落、終末が自然や宇宙の掟だ。一人ひとりの人生もその掟から外れようがないではないか。ただ、自然や宇宙と違うのは、そういう事柄を思い、それにどう対処し、向かいあっていくかを、人は考えることができることだ。若いからといっても、歳経ているからといっても、誰にでも肉体の病、没落、死は身近にある。そんな覚悟のある人生を思う。

2023年10月25日

 

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