2018年9月24日

81 能登あすなろ通信  猪とミミズ


耳を澄ますと、秋の虫たちが大合唱している。キリギリス、コオロギ、鈴虫…とにかく一杯いる。だが耳が追い付かない。何が何だかごちゃごちゃして区別がつき難い。秋の虫をネットで調べてみた。が、その種類の多さに、鳴き声のカタカナ表示の複雑さに辟易して諦めた。
今朝、畑に出かけると、猪が畑を掘って、ミミズを漁った形跡があった。猪は、さつま芋も好きだけれども、ミミズが好物らしい。かなり丹念に掘り返してあるから余程の執着を感じる。生々しく蠢いているミミズだ。さつま芋と違って栄養たっぷりのタンパク質が取れ、格別な旨味がするのだろう。だが私の畑にとって、ミミズは大切な生き物だ。ミミズが増えれば増える程、それらの食べ物や糞が、畑を肥やしてくれる。その大事なミミズを食べられては、理想とする畑ができない。さて今流行の電気柵でもしなくてはいけないのだろうかと、考えてしまった。
この地球は人間だけの星ではない。人間は、地球に住まわせてもらっている生き物の一つに過ぎない。猪も狸も熊もコウロギも鈴虫もミミズもこの星の一角に棲む権利があるに違いない。いやむしろ、我々人間の方が、ずっと新参者である。彼らの方がみな古参者だ。…とりあえず共に生きることを思って、電気柵は止めにすることにした。   2018年9月24日



    

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